かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……あのな、航。母さんとも話し合っているんだが、お前とも話し合っておかなきゃならないことがある。ちょっと、いいか?」
それを見計らっていたかのように、親父がそう口を開き、母さんと何やら目配せをした。
何だろう。
この場合においての話し合いというのは、今後の身の振り方や、大学進学のこと、家のことなど、さまざまだろうけれど、どれをとっても、先の見えない不安が付きまとうことだけは確かなような気がするのだが……。
「話し合いってのは?」
母さんの顔色もあまりよくないことに一抹の不安を抱きつつも、ごくりと生唾を飲み込み、真剣な表情の親父の目を見つめる。
すると。
「……うん、少しでも早いうちに、母さんの実家に世話になろうか、っていう相談だ。家も半壊してしまったし、いつまでも集会所に世話になるわけにもいかんだろう。母さんの実家は、落ち着くまでいてくれて構わない、と言ってくれているそうだ。航も考えてくれないか」
「なんだよ、それ……」
さーっと血の気が引いていく気がした。
親父の話は、早い話が、ここから出て行こう、という内容で、考えもしていなかったことだけに、その衝撃をなかなか受け止めきれない。