かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
ということで、強引に押し切られる形で、また間宮さんと行動を共にすることになり……。


「間宮さん、ここです!着きましたよ!」

「ったく。さっきは散々嫌そうな顔だったくせに、どうしてそんなに元気なんだ。子どもか」

「まあまあ、いいじゃないですか」


時間に余裕を見て、夕方までには戻る、とおばあちゃんに断りを入れてまず向かったのは、港近くの町の郷土史料館だった。

海のすぐそばの施設なため、中の軽食スペースからは、間近に広がる青い海や停泊している漁船、切り立った岩などを見ることができる。

展望台からの眺めとはまた違った魅力があり、磯の匂いや海鳥の声、波の音といった、海を象徴する音がほんの目と鼻の先で聞くことができるのが、とにかく魅力だ。

史料館の隣には図書館も併設されているので、暑くて勉強が進まないときなんかは、そこに行って涼みながら課題をこなしたり。

あたしにとって、郷土史料館付近は、高台の展望台と並んで好きな場所だった。


「はー、あっちぃー。誰だよ、今年は平年並みの暑さだとか言った奴。十分猛暑じゃねぇか」


中の軽食スペースに着くと、間宮さんは手近にあった席にどっかりと腰を下ろし、椅子の背もたれに体を預けて悪態をつく。
 
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