かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
ほどなくして、山の奥から展望台へとたどり着いたあたしたちは、そのまま、長い坂道を並んで下りながら民宿へと足を進めていた。

どう切り出そうか……と、さっきから考えているのだけれど、展望台へ抜けても、坂道を下っていても、間宮さんの手はしっかりとあたしの手を包み込んでいて、放してくれる気配がない。

間宮さんは至って普通の顔だけれど、あたしのほうは、とっくに気恥ずかしくなっていて、変にモジモジしてしまうあたり、本当に怪しい。


「なんだよ、トイレか?」

「違いますよっ!」


それに気づいた間宮さんからは、なんとも恥ずかしい質問をされてしまい、恥ずかしさのあまりに、またモジモジしてしまうあたしだ。

すると、そんなあたしを茶化すようにフッと微笑した間宮さんは、しかしすぐに、すっと前を見据えて、言葉を紡ぎはじめた。

つなぐ手の力が、いくぶん増す。


「今しかできないことは、今やることに決めてる、なんて格好いいことを言ったけど、大学を辞めた本当の理由は、仲間たちの命の重さに耐えきれなくなって、親父の言葉に甘えたから、だったんだよな……。命の無駄づかいをしていたのは、お前じゃなく、俺のほうだった」

「そんな……」
 
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