かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
間宮さんはそう言うけれど、あたしはその言葉から、今までの諦め癖が体に染み着いている自分を変えるきっかけをもらったのだ。

全然、全然、そんなことはない。

それでも間宮さんは、軽く首を横に振り、微笑を悲しげなものに変えながら言う。


「逃げたんだって、俺は。たとえお前が、精一杯の言葉で違うって言ってくれても、根本にあるのは、俺自身が“逃げた”と思う意識だ。誰だって、1つや2つはあるだろ? どんなに頑張っても変われない部分。そういうことだ」

「そうですか……」


あたしも、自分の根本的な考え方や性格は、なかなか変われないものだと感じる部分も多くあって、間宮さんにとってのそれは、仲間たちに対する罪の意識なのだろう。

そういうものは、誰に何を言われたって頑なに変われない部分の1つなのだろうと思うし、間宮さんに「そんなことはない」と無理強いするのは、よしたほうがいいのかもしれない。


「でも、久しぶりに楽しかったのは本当だ。もちろん楽しい思いをしていいのか、って葛藤はずっと持ってたし、この夏のことも、もしかしたら後悔することがあるかもしれない。それでもやっぱり、楽しかったんだよな」

「はい」
 
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