かけぬける青空は、きっと君とつながっている
駆け寄り、背中をさすってくれたり、優しく抱きしめてくれる2人に、今日まさに間宮さんが黙って民宿を去ってしまったことや、昨日の不思議な出来事、抱えていた秘密の断片などを、時系列もバラバラに脈絡なく吐き出す。
2人は、ただただ静かに相づちを打って聞いてくれ、その間も、あたしに触れる手は温かい。
やがて、気持ちも涙も吐き出し終え、ようやく落ち着きを取り戻した頃、ハルが口を開いた。
「ばあちゃんから連絡をもらったんだ。菜月のそばについてやってほしい、って。香にも連絡をつけてほしい、って言うから、その通りにしたんだけど……こういうことだったんだな」
「……間宮さん、行っちゃったんだね」
ハルに続いて、涙声の香ちゃんもそう口にし、ぐすん、と可愛らしく鼻を鳴らす。
2人には、泣いたり取り乱したりした、すごく恥ずかしいところを見せてしまったけれど、一通り吐き出したことで、ハルの言葉にも、香ちゃんの言葉にも、素直に頷くことができた。
「間宮さん、2人には何も……?」
「あんなに一緒にいた菜月にさえ、言えなかった“さよなら”が、どうして俺たちに言える?」
聞くと、ハルはそう答える。