かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
確かに今年も……かなり暑い。

連続真夏日や猛暑日の日数の記録を更新するんじゃないかと思うほど、海の近くの比較的涼しいこの土地でも、猛烈な暑さが続いている。


「さあ……。誰でしょうね。あ、あたしアイスが食べたいです。おいしいんですよ、柚子シャーベット。間宮さんは何にします?」

「抹茶アイス」

「……あまのじゃく」

「あ?」


聞き取れないくらい小さな声で言ったつもりだったのだけれど、間宮さんの耳はしっかりキャッチしてしまったらしい。

ギロリと睨みつけてくる間宮さんに「いえ、なんでも!」と急いで取り繕い、柚子シャーベットと抹茶アイスを買いに売店へ向かう。

アイスの種類はいろいろあるけれど、あたしはやっぱり、柚子シャーベットが一番好きだ。


「お待たせしましたー」

「おー」


アイスを買って戻ると、テーブルの上には、千円札がなぜかひらり。

それを不思議に思いながらも柚子シャーベットを口に運んでいると、その千円札がいきなりあたしのほうへズズっと押し出される。


「2人ぶん」

「えっ!? いらないですよっ!」

「いいから。取っとけ」

「で、でも……」
 
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