かけぬける青空は、きっと君とつながっている
悔しさとか、寂しさとか、悲しさとか……そういう気持ちを、顔をしかめることで表している。
その顔のまま、ハルは続けた。
「さっき、下でばあちゃんにあいさつをしたんだけど、ばあちゃんが起きたときには、もうあいつはここにいなかったって。夜中のうちにこっそり出て行ったんだろう、ってさ……」
「そっか」
「ばあちゃんを責めるなよ。ばあちゃんも知らない間に起こったことなんだ、どうしようかって、いっぱい考えたはずなんだから。責めるなら何も言わないで出ていったあいつにしろ」
「ふふ。……うん」
ハルはきっと、あたしがおばあちゃんを責めるとは思っていないだろうし、間宮さんを、ここぞとばかりに悪く言うことで、あたしを元気づけようとしてくれているのだろうと思う。
けれど、その口調は、まるで間宮さんが乗り移っているように聞こえてしまって、結局はハルも間宮さんに何も言ってもらえなくて寂しいんだ、と思わせ、自然と笑ってしまった。
「でも、どうして間宮さんは、一番関わりが深かったはずの菜月ちゃんだけにでも、きちんと別れのあいさつをしなかったんだろう。間宮さんにとっての菜月ちゃんって、そんなに軽い存在だったのかな……。なんか納得できないよ」