かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……ねえ。間宮さん、今頃はどこら辺かな?」
「さあなぁ。菜月は何か聞いてない?」
今日は海沿いの地域には珍しく無風で、花火の筒から立ち上る白い煙が、ひとつにまとまって空に昇っていくのを眺めていると、ふいにハルにそう聞かれ、あたしはそちらに目をやった。
聞いてきたハルは、とたんに、しまった……というような顔をしたけれど、あたしは反対に笑顔を向けながら、そういえば、と思い出す。
「青い空の向こう側に行く、って」
「は?」
「え?」
空を見上げながら答えれば、2人からは同時に疑問符付きの言葉が返ってきて、すっと空から2人に目を向ければ、まったくもって意味が分からない、という顔で目を合わせていた。
やけに神妙な顔つきの2人がおかしくなり、ついつい、ふふっと吹き出して笑ってしまいながら、それも無理はないとあたしは思う。
直接言われたあたしだって意味が分からないのだ、2人はもっと意味が分からないはずだ。
あれ、でも……。
「……菜月、それって」
「うん、そうだよ、菜月ちゃん……!」
「……、……そっか。あれが間宮さんのーー」
どうやら、直感したことは3人一緒だったらしく、あたしたちは顔を見合わせ、笑いだす。