かけぬける青空は、きっと君とつながっている
明梨も元気そうで何よりだ。
それほど多くメールのやり取りはできず、自分のことで精一杯でもあり、また、物理的な距離も離れていたから、なんとなく連絡を取りずらく、報告できていないことは、たくさんある。
けれど、お互いに、いい夏休みだったみたい、とすぐに感じあえるこの関係が、心地いい。
明梨の顔を見て、あの町を離れた寂しさ、この街の空気感や雰囲気に馴染めず、焦燥感を感じていた心が、ゆっくりと埋まっていく。
それからホームルールの時間まで、あたしたちも例にもれず、お互いの夏休みを報告しあい、担任の先生によって出席が取られると、場所を体育館に移して始業式が行われた。
始業式のあとは、音楽の授業だ。
ぞろぞろと音楽室に移動し、夏休みに入る前の続き、合唱コンクールの指揮は誰がやるか、という話し合いから、授業はスタートした。
「曲はなんとか決まったし、ピアノ伴奏も決まっているけど、指揮者はまっだったのよね。そうなると、あなたたちのクラスが一番遅れていることになるのよねえ……。うーん……」
授業の進み具合を書き込んだノートをパラパラとめくりながら、ため息混じりに言った音楽の先生は、あたしたちを眺めてそうぼやく。