かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
そうして、しばらくの間、お腹を触らせてもらったり世間話をしたりしていたれど、気づけばすでに時計の針は11時を指そうとしていた。

仕事を終えたハルが迎えに来る。

時計を見上げた香ちゃんは、パタパタと談話スペースを行ったり来たり、嬉しそうに帰り支度をしはじめ、その姿はいつ見ても可愛らしい。


やがてハルが迎えに来て、香ちゃんも帰っていくと、あたしは、香ちゃんが用意してくれた晩ご飯を食べながら、プリントアウトしてきたメールの内容に目を通しはじめた。

リスナーさんの年齢は様々で、従って、背中を押された一言もバラエティーに富んでいる。

下は小学校低学年の子から、上は80歳を過ぎた大先輩の方まで、ハガキや手紙で送られてくるぶんも合わせると、ざっと数えて50通ほどで、1週間では合計して100通を越えることもある。
 


「ナツさま。さっそくですが、私が背中を押された一言は中学のときの親友です、かぁ……」


ふと1通のメールに目が留まる。

その子は、ラジオネームを“つぐみ”ちゃんという女子高生で、普段は県外の高校に通っているそうなのだけれど、夏休みで帰省していたところに、たまたまコトノハラジオを聞き、さっそくメールを送ってくれたらしかった。
 
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