かけぬける青空は、きっと君とつながっている
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私が背中を押された一言は、今はなかなか会えませんが、中学のときの親友です。
中学から陸上を始めた私は、先生が熱心に指導してくださったおかげで、長距離走の選手として大きな大会にも出られるまでになり、自分で言うのも恥ずかしいのですが、それなりに、いい成績を残すこともできました。
高校は、親友と地元の高校に通うつもりでしたが、県外にある陸上の強豪校から「うちで走らないか」と声をかけて頂いたんです。
滅多にあることじゃないし、実力を認めてもらえて嬉しい気持ちも確かにありました。
でも、その強豪校でやっていけるのか、自信がなくて、何より、親友や親と離れて寮生活になるということだったので、不安で寂しくて……。
せっかく声をかけて頂きましたが、正直な気持ちを話して、断ろうと思ったんです。
親友にも、自信がないことや不安で寂しいことを伝えて「だから一緒の高校に行こう?」と。
すると、親友が言いました。
「私は走るのが遅いから、つぐみと同じ大会で走ることはきっと難しいけど、陸上部のマネージャーになって、必ず大きな大会にみんなを連れていくから。私はそこでつぐみと会いたい。だから、それまで待ってて」って。