かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「まあ、そのうちひょっこり別れるかもしんないし、そうなったら絶好のチャンスだな」
「絶好って……」
相変わらず、ストレートっていうか、歯に衣着せない言い方をするよね、間宮さんって。
それがイヤミに聞こえないからすごいけれど、これくらい思ったことをズバズバ言えたらどんなに気持ちいいか、たまに羨ましくなる。
でも。
「チャンスはたぶん、来ないと思います。別れる別れないの問題じゃなくて、そもそもハルはあたしを幼なじみとしか思っていないんです」
「なんでそう思うわけ」
「史料館で会ったとき、ハルが“俺らみんな同級生なんだ、仲良くやろう"って。香ちゃんもすごく可愛い子で、もし別れたとしても、あたしはきっと言わないと思います」
声に出して、やっとすっきりした。
いろいろ考えていて、間宮さんに少し気持ちを軽くしてもらって、そうやって出したのが、この答えなのだと思う。
間宮さんにはまた「命の無駄使い」なんて言われるかもしれないけれど、ハルが大事に思うものはあたしも大事に思いたい。
その考えが、あたしの中に根本的にある。
恋愛感情を抜きにしても、もうずっと前……子どもの頃からハルは大事な人なのだ。
その絆だけで、あたしは十分嬉しい。