かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
そうして、間宮さんは汗を流しにお風呂場へ行き、あたしは夕飯の準備を急ぎ……。

きっかり30分後、テーブルについた間宮さんの前に、あたしは今日のメニューを置いた。


「お待たせしました、今日はアジフライ定食です。食後のデザートにゼリーもありますよ」

「お。うまそう」

「……素材が、ですよね?」

「分かってんじゃん」


おばあちゃんがいるとこんなふうには言わないけれど、今日はそのおばあちゃんがいない。

ご近所のばば友さんたちに誘われて日帰り温泉に行っていて、帰りは夜になるとのことで、朝ご飯以外の民宿の仕事は、掃除に留守番に夕飯と、あたし1人で担当することになっていた。

だから朝、展望台から帰って早々に小言が飛んできたのだけれど、それは待ち合わせの時間が迫っていたから、というわけだ。


「ばあさん、温泉だっけ?」

「はい、久しぶりに友だちと出かけられるって喜んでましたよ〜。高2になってやっと1人で民宿の仕事ができるようになったので、こういうときくらい、おばあちゃんにはゆっくり羽を伸ばしてもらいたいものです」

「ばば思いだな、お前」

「ふふ」


珍しく間宮さんが褒めたりするものだから、なんだか胸のあたりがこそばゆい。
 
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