かけぬける青空は、きっと君とつながっている
でも、これには間宮さんの協力も大きくて、ほかのお客さんだったら、おそらくおばあちゃんの遠出は叶わなかったと思う。
『いいじゃないですか、たまには菜月さんに任せてみても。俺は構いませんよ』
今、お客さんは間宮さんだけ、というのもあるけれど、そう言ってくれたから、小言を言いつつもギリギリまで迷っていたおばあちゃんも、あたしに任せる決心がついたのかもしれない。
なんて思う。
「あ、そうだ。間宮さんにちょっとご相談があったんです。聞いてもらってもいいですか?」
「相談?」
「はい」
アジフライを頬張る間宮さんに、午後にハルと香ちゃんが訪ねてきたことを報告する。
最初こそハルの名前を聞いて怪訝な表情をしていた間宮さんだったけれど、相談が「4人で花火大会に行かないか」という誘いだと知ると、もっと表情が険しくなってしまった。
「なんで俺がわざわざ」
「……で、ですよね。2人にはあたしから断っておきます。すみません、この話は聞かなかったことにしてください」
ハルたちにはすごく申し訳ないのだけれど、間宮さんにとっては、あまりよろしくない提案だったのかもしれない。
「はぁー」とため息をつく姿は、迷惑だと遠回しに言っているようにも見える。