かけぬける青空は、きっと君とつながっている
「……なんつーか、お前はどうなの。気持ち、ハルにまだあるんじゃねぇの?」
「え?」
「察せよ、鈍感娘が。だから、断りきれなくて引き受けちまったんなら、俺から断ったほうが角が立たないって言ってんの」
けれど、どうやら間宮さんのため息の理由は、ほかのところにあったらしい。
お味噌汁のアサリを殻から外しながらちらりとあたしを窺い、また目をそらす。
「……あ、ハルには、何も言わないことに決めたんです。しっかり幼なじみなんだって分かったし、やっぱり、ハルが大事に思うものはあたしも大事に思いたいので」
「いいわけ? それで」
「はい。もうすっかり友だちなんですよ、香ちゃんとも。もし香ちゃんが泣くことがあったらハルを許さないくらいです」
強がりや負け惜しみ、やけくそなどではなく、これがあたしの本心だった。
それに今は、どうやったら間宮さんが毎晩ちゃんと眠れるかを考えるほうが、あたしの中で大きな意味を持っている。
あたしなんかの付け焼き刃的なお節介では、根本的な解決にはならないかもしれない。
けれど、それでも何か、間宮さんの力になれること、なれそうなことがしたかった。