かけぬける青空は、きっと君とつながっている

　
間宮さんが足元を気にしろと言うのも当然で、あたしは浴衣に下駄という気合いの入った格好で花火を見上げながら歩いている。

普段、着慣れないものや履き慣れないものを、ここぞとばかりに身につけているため、何かとバランスが取りにくかった。

すると。


「うわっ、と……！」

「ったく。言わんこっちゃない」

「すみません……」


人とすれ違いざまに肩が当たってしまって、足元が一気にぐらつく。

それを、背後にいる間宮さんはあたしの腕を引いてなんとか体勢を立て直してくれる。

……平気と言っているわりには、さっきから４回は人にぶつかったり砂利に足を取られたり、ことごとく迷惑をかけていた。


香ちゃんと相談して浴衣を着ようと決めたのだけれど、間宮さんに迷惑をかけてしまっては、浴衣も下駄もやめておいたほうが無難だったのかもしれない。

もう遅いけれど。


「とりあえず、２人に会うまでは花火は見ないことにします……」

「いつそう言うかと思ってた」

「……はは」


２人とは、花火大会の司会進行や迷子などのアナウンスをする、総合詰め所、というところの前で落ち合う約束になっていた。