かけぬける青空は、きっと君とつながっている
だいぶ近づいてきているはずだから、それまで花火を見上げながら歩くのは我慢、我慢っと。
まずはしっかり歩こう。
うん。
そうしてしばらく、花火の音を聞きながら総合詰め所を目指して歩いていると、人混みの中からハルと香ちゃんの姿を発見した。
2人とも辺りをキョロキョロと見回していて、香ちゃんの手には携帯が握りしめられている。
「ごめんっ、2人とも……っ!」
「おう、菜月!」
「よかった、ちゃんと会えて。どこかで迷ってるんじゃないかと思って心配だったよ。何度か電話したんだけど、鳴らなかった?」
「高坂は心配しすぎなんだよ。間宮さんもいるんだから心配ないって言ってただろ?」
「ふふ、そうだったね」
急いで駆け寄ると、黒いTシャツにジーンズ姿のハルと、可愛らしい花柄の白い浴衣を着た香ちゃんがそれぞれに口を開く。
香ちゃんとはもう番号の交換を済ませていて、待ち合わせの時間を過ぎても現れないあたしたちを心配してくれていたようだ。
「ごめんね、香ちゃん。携帯鳴ってたの、全然気づかなかったよ………。こういうきはちゃんと手に持っておかなきゃダメだね」
「そうだよ〜」
「気をつけるね」
「はーい」