かけぬける青空は、きっと君とつながっている
ちなみにハルは、携帯を持とう、という気はまだないらしく、香ちゃんとの連絡手段は、家の近くの公衆電話だという。
それが撤去されたらいよいよ本気で考えるかもしれないけれど、それまでは携帯は持たないというのだから、ハルの頑固ぶりには幼なじみのあたしも何も言えない……。
「じゃあさ、立ち話しててもあれだから、とりあえず適当に歩きながら花火見よっか」
「そうだね」
「うん」
ハルの一言にみんなで頷く。
ヨーヨーや焼きそば、金魚すくい、といった縁日さながらの出店も出ていて、お店に寄りつつ花火も楽しむ方向で話がまとまった。
花火大会や出店巡りは、小さいときはもちろんだけど、いくつになってもやっぱり楽しい。
「見て見て、間宮さんっ!金魚がいっぱいですね〜。頑張ったら何匹かすくえそうですよ!」
「あー、見てる見てる」
「間宮さん、ほらっ!今、ちょうちょの形の花火が上がりました!次はどんなのでしょうか。また上がるかもしれませんね!」
「……あー、見てる見てるー」
という具合に、これでは本当に「ガキだ」と言われても返す言葉もないくらい、年甲斐もなくはしゃいでしまった。