かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
「下のほうの花火は難しいかもしんないけど、まあ、上のほうなら見えるだろ」

「あ、ありがとう……ございます」

「ん。別に。……ああ、そうだ、ちょっと待ってろ。すぐに戻る。動くんじゃねぇぞ」

「はあ」


するとまた、間宮さんがどこかへ走っていく。

これからが一番いいところなのに一体どうしたんだろう、と謎の行動に首をかしげていると。


「ほらこれ。出店を見て回ってたとき、りんご飴にへばりついて見てただろ。お前にやる」


そう言うやいなや、あたしの手の中にりんご飴が1つ、ころんと転がった。

確かにこれは、間宮さんと出店を見て回っていたときにあたしが一番に興味をそそられたもので、この足ではなかったら、帰りに買って帰ろうと思っていたもの。

でも……えっ!?

プ、プレゼント!?

まさか間宮さんがそこまであたしの行動を見ていたなんて知らなくて、というか、適当に相づちを打っていただけだと思っていて。


「え、えぇぇっ……!!」


間宮さんの顔と手の中のりんご飴を何度も見比べながら、恥ずかしげもなく、すっとんきょうな声を上げてしまった。

その声が大きすぎたのだろう。

間宮さんは「うるせー」と指を両耳に突っ込んで、念を押して言ってくる。
 
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