かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
出店の人に椅子を返し、お礼を言うと、あたしたちは人の波に従いながら、ゆっくりと民宿へ帰路をとりはじめる。

擦れて痛い足の指をかばいながらだったから、かえってゆっくりなペースがちょうどいい。


「うん、うん、ごめん。じゃあ、ハルに送ってもらうんだね。あたしのほうは大丈夫。間宮さんと帰るから心配しないでね」


電話の相手は香ちゃんだった。

いつの間にかはぐれてしまった間宮さんとあたしを心配して、また何度も電話をかけてくれていたらしいのだけれど、花火の音や間宮さんとの話で携帯にまでは意識が回らず……。

着信履歴に香ちゃんの名前がびっしり連なっていて、やっぱり悪いことをしちゃったな、と何度も謝りながら電話を切った。


「あいつら、帰るって?」

「はい。結局あたし、何をしに来たんでしょうか……。みんなに迷惑をかけてばかりで、高校生にもなって申し訳ない限りです」


携帯を巾着袋にしまうのと同時に間宮さんに聞かれて、あたしはうつむきながらそう答える。

ほんと、何をしに来たのだろう。

間宮さんとハルが話す機会を持てるようにと来たはずなのに、何度も転びそうになったり、指が擦れて結局別行動になったり……。

本末転倒だ。
 
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