かけぬける青空は、きっと君とつながっている
そうして落ち込んでいると。
「いや、別にいいよ。気分転換になったし、お前はりんご飴に夢中だったから知らないと思うけど、ハルともちゃんと話せたから」
「そ、そうだったんですか!?」
「ん。まあな。……だからまあ、いろいろと気を回してくれてサンキューな」
「……い、いえ」
ハルと話ができたと聞いて思わず上げた顔が、とたんにまた、地面に戻る。
面と向かってお礼を言われたのはこれが初めてだったし、いつもあまのじゃくな言い方ばかりをされているから、ストレートにお礼を言われて、どういう顔をしたらいいか分からない。
それに、今日の間宮さんはいつもよりずっと素直……というか、じょう舌だ。
自分からこの前の花火のことを話したいと言ってきたし、あたしの足のことや、りんご飴のこと、今だって感謝の言葉を口にした。
それがおそらくは今日の花火大会と少なからず関係があるのだと思うと、誘ってよかったと感じる反面、言いたくないことを言わせてしまったのではないかと思えて、複雑になる。
たかが、夏休みの間だけ民宿を手伝っている女子高生のあたしが、こんなに込み入ったことを聞いていいはずがないと思うのだ。