かけぬける青空は、きっと君とつながっている
おばあちゃんは裏の畑に野菜を穫りに行っていて、間宮さんは部屋で休んでいる。
あたしは談話スペースで夏休みの課題をしていたところで、ここは必然的にお母さんとあたしの2人だけの空間になってしまった。
「……ちょっと待ってよ。あたし、まだ帰る気はないよ。それに、今年も夏休みは丸々、おばあちゃんのところにいていいって言ってくれてたじゃん。どうしたの、いきなり」
このままだと連れて行かれる、そう思ったあたしは、睨むような目つきで見てくるお母さんを牽制しつつ、ここに残りたい理由を思いつくだけ頭に思い浮かべる。
その理由次第では、うまくお母さんを納得させられるかもしれない。
けれど。
「気が変わったのよ」
「気が変わったって……?」
「来年は大学受験だし、できるだけ早くきちんと勉強に打ち込める環境を整えてあげたいの。向こうなら塾も家庭教師も選べるけど、こっちは選択すらできないもの」
「そんな……」
お母さんは吐き捨てるように言い、その態度から田舎を心底嫌っている様子が伝わってくる。
もっともらしい理由だけれど、あたしを連れ戻したい本当の理由は、これ以上あたしに自分が嫌いなものを好きになってほしくないーーそういったところのように思う。