かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
「……港のほうまで行くか。時間潰しに」

「い、いいんですか?」

「だって仕入れてあるんだろう? イカ。それに、いろいろ立て込んでるみたいだし」

「ありがとうございます……」

「ん」


間宮さんがそう言ってくれて、ようやくあたしは、気持ちと体の行き場を見つけた気がした。

港は魚勝さんの目と鼻の先にある。

魚勝さんの前を通り過ぎ、いくつも漁船が停泊している港に足を向かわせた。


漁協がすぐそばにあって、特にベンチもないため、ぶらぶらと歩きながら時間を潰す。

そうしていると、間宮さんが口を開く。


「お前もうまくいってねえの? ……母親と」

「うーん、どうなんでしょう。もちろん好きですけど、お母さん、極端に田舎を嫌っているところがあって。そこがあたしには、なんでだろうってよく分からない部分でしょうか」

「そっか」

「はい」


だから思うのだ、あたしは。

話せる範囲でいいから、おばあちゃんと何があったのかを聞かせてほしい。

あたしがおばあちゃんのところに手伝いに行くことを本当はどう思っているのか、ちゃんとお母さんの口から話してほしい、と。
 
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