かけぬける青空は、きっと君とつながっている
それで、お互いに理解しあえるところは理解して、今日みたいに突然連れ戻しに来たり声を荒げたりするのを極力なくせたらいいと思う。
うまくいっていないわけじゃない。
ただ、毎日の生活の中や、夏が近くなった頃、ことおばあちゃんのことに関しては、お互いに踏み込んでは話さないけれど、なんとなくギスギスした感じがずっとあるのだ。
それを、どうにかしたいと思う。
話し終わると、間宮さんは少し間を置いて、言葉を選ぶようにこう言った。
「なんだろうな、コンプレックス? お前は、都会生まれの都会育ち、だっけ?」
「……そうですね、東京ほど都会ではないですけど、便利なところには住んでいます」
「たぶん、そこなんじゃないか? 自分は田舎育ちなのに娘は都会で生まれ育って、でもその娘は都会より田舎が好きで。田舎の良さって、なかなか分かんないものだしな」
「そっか……」
間宮さんが言った通り、お母さんにはそういうコンプレックスがあるのかもしれない。
お父さんも都会育ちの人だし、自分だけが田舎育ちなのを劣等感に感じている……とでもいうのだろうか、あたしが言うのもおかしいけれど、田舎の良さから目を背けているところが、必ずしもないわけじゃない。
塾や家庭教師の話を出してきたあたりが、あたしにはそう見える部分だったりする。