俺様編集者に翻弄されています!
 けれど今、勢いで書いたプロットに悠里は満足し、氷室に対するイラつきも珍しく一瞬で鎮まってしまった。

 悠里は先ほど湯船にお湯を張っていたことを思い出すと、バスルームへ向かった―――。




(私、どうしてもこの話しを書きたい! もしこれでだめだと言われたら……その時は本当に氷室さんとは、相性が合わなかったんだって思うしかないよね)

 悠里はお風呂の湯に浸かりながら悶々とそんなことを考えていた。


 ―――その時。


「痛っ!」


 右足の小指にひりっと焼けるような痛みが走った。


(なんかずっと痛いと思ってたら……靴擦れしてたんだ)


 お湯で皮がふやけて剥がれたのだろう。今まで自分が靴擦れを起こしていたことにも気づかなかった。


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