俺様編集者に翻弄されています!
「あぁ? お前なに馬鹿なこと言ってんだ? ったく、血が滲んでるし……なんでこんなになるまで放っておいたんだよ?」
「うぅ……」
傷は昔から空気に触れさせて乾燥させるものだと誰かに言われ、悠里は特に手当もせずそのままにしていた。またはずぼらともいう。
「痛いか?」
「あ、あの……大丈夫ですから」
氷室は悠里の足首を軽く持ち上げて、傷を痛々しそうに見ている。悠里はその視線に妙な羞恥心を覚えた。
(もう、見ないで……)
「ちょっと待ってな」
「え……?」
悠里が顔を上げ、氷室を見上げた時には既に部屋から出て行ったあとだった。
部屋にひとり残され、はぁと肩の力を抜くと再び沈黙が訪れた。降り注ぐ春の暖かな日差しがどことなく心地いい―――。
「うぅ……」
傷は昔から空気に触れさせて乾燥させるものだと誰かに言われ、悠里は特に手当もせずそのままにしていた。またはずぼらともいう。
「痛いか?」
「あ、あの……大丈夫ですから」
氷室は悠里の足首を軽く持ち上げて、傷を痛々しそうに見ている。悠里はその視線に妙な羞恥心を覚えた。
(もう、見ないで……)
「ちょっと待ってな」
「え……?」
悠里が顔を上げ、氷室を見上げた時には既に部屋から出て行ったあとだった。
部屋にひとり残され、はぁと肩の力を抜くと再び沈黙が訪れた。降り注ぐ春の暖かな日差しがどことなく心地いい―――。