俺様編集者に翻弄されています！

Chapter2

　それから翌月になり―――。


　悠里の連載小説「忘我の愛」は初回からかなりの反響があった。元々連載していた他の小説をも凌ぐ勢いで、人気は上昇していった。
　悠里は自分でも渾身の一作だと思っていただけに、読者の反響があると胸が踊った。

　読者の心理は未知数―――。

　悠里は最近になって改めてそう思わされた。自信作だと思っていたものが、全くウケなかったり、もう少しひとひねりした方がいい気がすると思っていた物が売れたりする。初めはそんな読者の反応にどう返していいのか戸惑いもしたが、氷室が担当になったことで肩の力が抜けたような気がした。