俺様編集者に翻弄されています!
「も、もう……! どいてくださいってば」


「なぁ、あのドラマCD聴きながらお前なに妄想してんだ?」


「……へ? も、妄想!?」


(いやだ、誰にも知られたくない私のミステリアスな領域に入ってこないで……!)

 
 目と目が合うと、まるで催眠術にでもかかったかのように、身体の力が抜け落ちる。これ以上氷室の目を見てはいけないと警鐘が鳴っているのに、悠里は微動だにできなかった。


「別に、そんなのどうだっていいじゃないですか! 氷室さんだって街でムチムチナイスバディな女の人見たら妄想するでしょ!?」


(熱い、そして眼鏡が曇る……ブサイクな私をそんな近くで見ないでよ……)


「……そのムチムチナイスバディを見て妄想するより、ここでお前にキスしたらどんな顔になるか……とか妄想したほうが、よっぽど面白いと思うけど?」



「なっ!? ななななに言って―――」

(キ、キス……!? まさかお口とお口でする方……?) 
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