俺様編集者に翻弄されています!
<先日アメリカから帰国してまだ間もないんですけど、悠里さんの担当をさせていただきます>

<は、はははい……!>

<あの、お願いと言っては申し訳ないのですが、もしお手空きでしたら、私と一緒に社内を案内していただけませんか?>

<え? わ、私は大海出版の社員では……! いや、これは妄想の世界……イケメンと私の二人だけの世界なんだった!>

<悠里さんは優しい作家さんですね、これから一緒に作品を作っていくと思うと嬉しいです。じゃあ、お近づきの印にキスしていいですか?>

<は、はい……! 全力でお願いします!>

 すっと手が伸びてきて頬を優しく、怪しく撫でられる―――。


<もしかして、これって運命なのかな? 堅苦しい口調はなしにして、本当は二人っきりで話しがしたかったんだ。ふふ、神様がくれたチャンスなら、それに甘んじるしかないよね……>

<やだ、そんなに見つめないで……あああ~>

 瞳の奥に引き込まれるようにして迫る唇が―――。
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