俺様編集者に翻弄されています!
「美岬が東京に異動になるって聞いたときはもうパーティしちゃったわよ! あぁん、これから毎日お店に来てちょうだいね」


「あぁ? 毎日なんて来れるわけないだろ、ただでさえ今忙しいんだ」


 中には女性と見分けがつかないくらいの美人なオカマもいたが、この店はほとんどゲテモノ揃いだった。けれど、どういうわけか見たところ店は繁盛している。人は外見だけではないということだ。

 ここは馴染みの店ということもあり、自分も知っている顔なじみの店員も何人かいた。久々の日本だからといって、この忙しい中、飲み歩く店を新規開拓する気力もなかった。


 氷室はスツールに座ってカウンターに両肘をつくと、無意識にため息をついた。
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