俺様編集者に翻弄されています!
「それでは、氷室君は今連載中のユーリの小説を映画化を企画したいと、そういうことだね?」
「艶人」で連載している小説の中からひとつ映画化するという企画が上がって、氷室は真っ先にユーリの「忘我の愛」を推した。
「はい、まだ連載が始まって日も浅いですが、ユーリの連載によって雑誌の売上も伸びています。
実際アンケートでは実写化の要望もでていますし」
映画化企画担当者は腕を組んで低く唸りながら考え込んでいた。
「いいシナリオになりそうだとは思うんだけどねぇ、これを実写化するとなると時代背景が現代じゃないだけにセットに費用がかかる。まずは、書籍化にして様子を見るのはどうだ?」
「けど……」
いつもの自分ならここで、そうですね。
と返事をしているはずだった。けれど、なんとか映画化までこぎつけたいという妙な焦りがあった。
「しかし、この「忘我の愛」は確かに映画にしてもおもしろそうだからね、こちらでいい方向で話しを進めてみるよ。氷室君の担当作家じゃ頭上がらないからね」
去年「愛憎の果て」でヒットしてからここの映画制作会社はいい思いをしているはずだ。だから今回だってきっとうまくいく……。
そう思っていた矢先―――。
「艶人」で連載している小説の中からひとつ映画化するという企画が上がって、氷室は真っ先にユーリの「忘我の愛」を推した。
「はい、まだ連載が始まって日も浅いですが、ユーリの連載によって雑誌の売上も伸びています。
実際アンケートでは実写化の要望もでていますし」
映画化企画担当者は腕を組んで低く唸りながら考え込んでいた。
「いいシナリオになりそうだとは思うんだけどねぇ、これを実写化するとなると時代背景が現代じゃないだけにセットに費用がかかる。まずは、書籍化にして様子を見るのはどうだ?」
「けど……」
いつもの自分ならここで、そうですね。
と返事をしているはずだった。けれど、なんとか映画化までこぎつけたいという妙な焦りがあった。
「しかし、この「忘我の愛」は確かに映画にしてもおもしろそうだからね、こちらでいい方向で話しを進めてみるよ。氷室君の担当作家じゃ頭上がらないからね」
去年「愛憎の果て」でヒットしてからここの映画制作会社はいい思いをしているはずだ。だから今回だってきっとうまくいく……。
そう思っていた矢先―――。