俺様編集者に翻弄されています!
「ユーリ大先生! 折入って相談がございます」
北村と加奈が切羽詰った気迫を漂わせて、ずんずんと悠里の傍までやってくると、ふたりしてぺこりと頭を下げた。
「え? なに? 相談って?」
「悠里ぃ~、私たちは小説家と編集者の関係の前に大がつく親友だよね?」
加奈が目をきらきらさせながら悠里の手を取ってひとりでうんうんと頷いている。
「ユーリ先生にご無礼を承知で申します! その、今度異動になる氷室を空港まで迎えに行って欲しいんです」
「……は?」
全く予想だにしていなかった言葉に、悠里の頭が真っ白になった。
「明日ちょうど手が空いてる社員がいないのよぉ、編集が違う部には頼みづらいし、空港で拾ってうちの会社に連れてくるだけでいいから! お願い、この通り!」
パンッ! とふたりして悠里の前で手のひらを合わせて神頼みをする。
(こんなの無茶苦茶だ……作家が編集者を空港まで迎えに行くなんて、聞いたことないよー)
「迎えに行く? なんで私が? だって私、出版社の人間じゃな―――」
「大丈夫です! 氷室にもその旨伝えておきますから! あぁ、さすがユーリ先生はお心が広い!」
(まだ何も言ってないんですけど……)
という言葉をも言わせぬ勢いで北村はぶんぶんと悠里の両手を握って上下に振った。
「あの、その氷室さんって方について……何か隠してませんか?」
「……へ!?」
悠里の鋭いつっこみに編集者の二人は身体をぴくりとさせる。
北村と加奈が切羽詰った気迫を漂わせて、ずんずんと悠里の傍までやってくると、ふたりしてぺこりと頭を下げた。
「え? なに? 相談って?」
「悠里ぃ~、私たちは小説家と編集者の関係の前に大がつく親友だよね?」
加奈が目をきらきらさせながら悠里の手を取ってひとりでうんうんと頷いている。
「ユーリ先生にご無礼を承知で申します! その、今度異動になる氷室を空港まで迎えに行って欲しいんです」
「……は?」
全く予想だにしていなかった言葉に、悠里の頭が真っ白になった。
「明日ちょうど手が空いてる社員がいないのよぉ、編集が違う部には頼みづらいし、空港で拾ってうちの会社に連れてくるだけでいいから! お願い、この通り!」
パンッ! とふたりして悠里の前で手のひらを合わせて神頼みをする。
(こんなの無茶苦茶だ……作家が編集者を空港まで迎えに行くなんて、聞いたことないよー)
「迎えに行く? なんで私が? だって私、出版社の人間じゃな―――」
「大丈夫です! 氷室にもその旨伝えておきますから! あぁ、さすがユーリ先生はお心が広い!」
(まだ何も言ってないんですけど……)
という言葉をも言わせぬ勢いで北村はぶんぶんと悠里の両手を握って上下に振った。
「あの、その氷室さんって方について……何か隠してませんか?」
「……へ!?」
悠里の鋭いつっこみに編集者の二人は身体をぴくりとさせる。