俺様編集者に翻弄されています!
「別に、理由なんてない。まぁ、これだけ雰囲気のある所で慣らしておけば、今度のパーティは余裕だろ? しかもカジュアルな立食だしな」


「……え?」


「楽しかったよ、お前があまりにも何も知らなさすぎて、フィンガーボールの水であんなバチャバチャ手洗うやつとか初めて見た」


 その光景を思い出したのか、氷室はクスクスと笑い出した。



(もしかして、私のこと気遣って……食事に誘ってくれたの……?)


「そんなこといいから、早く乗れ」

「わ……!」


 悠里は後部座席に押しやられると、もう少しだけ一緒にいたい―――。という気持ちが溢れ出そうになり、慌ててそれを抑えた。


「あ、あの……っ!?」
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