俺様編集者に翻弄されています!
第二章 嵐来る

Chapter1

 先日、早朝から大海出版社に一本の電話がかかってきた。


 その日、泊まりこみで仕事に追われていた北村は編集長という立場から早々に片付けておかねばならない仕事があった。

ようやくひと段落したのは東の空が白んできた頃で、薄暗い事務所の中、ひとり北村が重い身体をソファに預けてしばらくしてのことだった。

突然けたたましくなる携帯にたたき起こされ、寝ぼけ眼で通話ボタンを押すと、それは思わず電話を切ってしまいたくなるような人物からだった。
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