俺様編集者に翻弄されています!
「……おい」


「はっ!? ……へ?」


「なんだ、その間抜け面は」


 気がつくと既にもうアンソニーの姿はなく、横で氷室が怪訝な顔で悠里を見ていた。


「あっ、えっと……」


「ほんとお前って肝が座ってるっていか、ボケっととしてるっていうか……あんな大物作家目の前にしてたら普通は緊張するけどな」


「氷室さん……緊張してたんですか?」


「は? するわけねぇだろ」


 いかにも氷室らしい返答に悠里は思わず頬が緩んだ。

「そうですよね……あはは」

 その時―――。
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