俺様編集者に翻弄されています!
「……頭痛い」


 なんとか吐き気はおさまったものの、今度はまるで鈍器で殴られたかのような頭痛に襲われた。

けれど、先程よりはだいぶアルコールが身体から抜けて、朦朧としていた意識も今はしっかりしている。


 なんとなくまだふらついた足でリビングまで行くと、パノラマ夜景がガラス越しに広がっていた。


「わぁ……」


 夜景を活かすためか、部屋の中はぼんやりとしたスタンドの灯りのみで薄暗かった。


「何か飲むか? 酒以外で」


「す、すみません。ご迷惑をおかけしました」


 氷室の言葉に面目なくて縮こまっていると、目の前にすっとほんわりと温かいティーカップを渡された。


「ありがとうございます……」


 思わず大きく香りを吸い上げてしまうほどいい香りのするハーブティーだった。ひと口飲むと、ミントの清涼感がじんわり広がっていった―――。


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