俺様編集者に翻弄されています!
「ふぅん……初めて会った……ね、初めて会う男の前で、何も考えなしに酔っ払うのかお前は」


「そ、それは……」


 痛いところを突かれて悠里は二の次を継げなくなってしまった。


 氷室が感情的になっているところを初めて見たせいか、悠里は緊張で手のひらがじっとりと汗ばんでくるのを感じた。


「とにかく金輪際あの男には関わるな」


「ど、どうしてですか……? そんな悪い人には見えなかったんですけど」


「それはお前が何もわかってないからだろ!」


 冷たく言い放ったかと思えば、氷室は声を荒らげて悠里の腕を掴んだ。

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