俺様編集者に翻弄されています!
「っ……な、何してるんですか!?」


「俺の前で宮森の話しをするな!」


 初めて聞く氷室の怒声に、悠里はびくりと身体を震わせた。宮森に異様に反応する氷室を訝しげに思いながら、悠里はギリギリと手首に食い込むような氷室の指圧に耐えていた。


 そして、間近で自分を見下ろすその瞳はゾッとするほど冷めていた。


 身をよじって抵抗しても、両手首を掴まれて微動だにできなかった。


「ふっ、俺が怖いか……? あいつの前ではへらへら笑ってたくせにな」


「なっ……」


「あの男は、お前を喰いモノにしようとしてたんだぞ? 人のものをいつも横からかっさらうような真似して―――」


 怒りに囚われた氷室は、完全に理性を失っていた。理性を失ってしまうほど、宮森という男は氷室にとって地雷だったに違いない。
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