俺様編集者に翻弄されています!
「布団……?」
もしかしたらここで寝てしまった自分を見兼ねて、氷室が布団をかけてくれたのだろうか。
テーブルの上を見ると、「先に出る」とだけ書かれたメモ書きが残されていた。
(今日は平日だった……そっか、氷室さんは普通に仕事だよね)
平日も休日も、大差のない悠里にとっては時に曜日の感覚さえ忘れてしまう。
「……?」
ふとその時、テーブルの上にラズベリーの入ったガラスのボウルが目に入った。
水を弾き、熟れたラズベリーは新鮮そのもので見た目も瑞々しい。
(氷室さん、朝からご飯に味噌汁って感じじゃないもんなぁ……)
悠里はそのラズベリーをひとつ摘んで口へ投げ込んだ。
「あ……!」
甘酸っぱいラズベリーの果汁が口に広がると同時に、氷室が悠里の口に飴を放り込む瞬間が重なった。
そして今までずっと謎だった答えにようやくたどり着いた。
「……ラズベリーだったんだ」
氷室の飴がキスの味に繋がり、キスの味がラズベリーに繋がった。
そして、悠里の中でラズベリーの味が恋の味に変わる――。
(こんな恋……いっそ気がつかなければよかった)
もしかしたらここで寝てしまった自分を見兼ねて、氷室が布団をかけてくれたのだろうか。
テーブルの上を見ると、「先に出る」とだけ書かれたメモ書きが残されていた。
(今日は平日だった……そっか、氷室さんは普通に仕事だよね)
平日も休日も、大差のない悠里にとっては時に曜日の感覚さえ忘れてしまう。
「……?」
ふとその時、テーブルの上にラズベリーの入ったガラスのボウルが目に入った。
水を弾き、熟れたラズベリーは新鮮そのもので見た目も瑞々しい。
(氷室さん、朝からご飯に味噌汁って感じじゃないもんなぁ……)
悠里はそのラズベリーをひとつ摘んで口へ投げ込んだ。
「あ……!」
甘酸っぱいラズベリーの果汁が口に広がると同時に、氷室が悠里の口に飴を放り込む瞬間が重なった。
そして今までずっと謎だった答えにようやくたどり着いた。
「……ラズベリーだったんだ」
氷室の飴がキスの味に繋がり、キスの味がラズベリーに繋がった。
そして、悠里の中でラズベリーの味が恋の味に変わる――。
(こんな恋……いっそ気がつかなければよかった)