俺様編集者に翻弄されています!
第八章 思惑の罠

Chapter1

 とある夜の歌舞伎町で―――。

「ほら、チェックメイトよ」


「ぐ……」


 ナオママ相手にチェスで負けたことはなかった氷室が、今夜はあっさりとキングを取られてしまった。


「ふん……」


 氷室は不貞腐れたように煙草に火を点け、ため息とともに煙を細く吐き出した。
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