俺様編集者に翻弄されています!
 今日、正式に悠里の「忘我の愛」の書籍化と映画化が同時に決定した。

 その連絡を入れた時の悠里の態度は何処と無くよそよそしく、ほんの数分の電話が途方もない時間に感じられた。


 公私混同は厳禁―――。


 それが氷室の仕事をする上でのモットーだった。

 けれど、実際はこうして煙草を燻らせてぼんやりすると、自然と悠里の事を考えてしまうのだった。
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