俺様編集者に翻弄されています!
「この前ね、氷室さん、ユーリ先生の原稿見ながら頭抱え込んで何か思い悩んでるみたいだったのよ、私はユーリ先生の作品はそれなりにすばらしいと思うわ、けど……もしかしたら、ユーリ先生ご本人と何かあるのかもしれないって、私の考えすぎかもしれませんけど……」


(氷室さんが……私の原稿を見ながら頭を抱え込んでいる?)


 たまにぎこちなさを感じることもあったが、仕事上ではうまくいっていると思っていた。

けれど、自分の知らないところで何か悩ませているのだとしたらと思うと、悠里は何も知らなかった自分に苛立ちを覚えた。
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