俺様編集者に翻弄されています!
第九章 その陰に潜むもの

Chapter1

 書籍化に映画化が決定すると、目まぐるしく一日一日が過ぎていった。

「忘我の愛」の連載が終了したら、すぐに広告を打って全国の書店に売り出すとのことだった。そのためにいくつか表紙、裏表紙のカバーイラストのイメージを考えろ、と先日氷室に言われて悠里は何枚も本のイメージを絵に書き出していた。


 「忘我の愛」の原稿も残すところあと一回の入稿になってしまった。

(この連載が終わったら、担当変わっちゃうのかな……)

 そう思うと悠里は胸が締め付けられるような、切ない気持ちになった。
< 261 / 340 >

この作品をシェア

pagetop