俺様編集者に翻弄されています!
『……おい、お前人の話し聞いてるのか?』

 悠里の妄想を両断するように、氷室の冷めた声が現実に引きずり戻す。


「えっ? あ、はい?」


(今の完全に妄想相手が氷室さんだった……恥ずかしい! でも、氷室さんとお出かけなんて!)


「じゃあ、二十時に……」


 そう言って電話を切ると、悠里は緩んで火照った顔を手で覆いながらゴロゴロと床に転がった。
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