俺様編集者に翻弄されています!
「お前の原稿も最初の頃に比べたらすいぶん良くなったな」
不意に氷室が優しい声で呟くように言った。照れているのかその呟きは小さくて、思わず聞き漏らしてしまいそうだったが、悠里の耳にはっきり届いた。
「ありがとうございます。きっと氷室さんのおかげだと思います」
「当たり前だろ」
氷室らしいその返事に、ほんわり胸が温かくなるのを感じて思わず頬が緩んだ。
「連載ももう少しだから、いいものを期待してる。これからも頑張れよ」
「……はい」
(連載が終わったら氷室さんは……それに、なんとなく氷室さんいつもと違う感じがする。気のせい……かな?)
時折伏し目がちになる氷室の横顔に、悠里は何か引っかかるものを感じた。
そんなことを考えていると、目の前に淡いピンクのクリームが乗ったケーキが出された。
「じゃ~ん! 私の特製フランボワーズケーキよ? 食べてみて! 美岬はもうそれにハマっちゃってハマっちゃって―――」
「おい、余計なこというなよ……」
「あー! みーくん赤くなってるぅ、あぁん可愛いんだから!」
横目で見ると氷室は、気まずそうに赤く染まった頬をして目を泳がせていた。
初めて見るその表情に、悠里は氷室にますます親近感を覚えずにはいられなかった。
不意に氷室が優しい声で呟くように言った。照れているのかその呟きは小さくて、思わず聞き漏らしてしまいそうだったが、悠里の耳にはっきり届いた。
「ありがとうございます。きっと氷室さんのおかげだと思います」
「当たり前だろ」
氷室らしいその返事に、ほんわり胸が温かくなるのを感じて思わず頬が緩んだ。
「連載ももう少しだから、いいものを期待してる。これからも頑張れよ」
「……はい」
(連載が終わったら氷室さんは……それに、なんとなく氷室さんいつもと違う感じがする。気のせい……かな?)
時折伏し目がちになる氷室の横顔に、悠里は何か引っかかるものを感じた。
そんなことを考えていると、目の前に淡いピンクのクリームが乗ったケーキが出された。
「じゃ~ん! 私の特製フランボワーズケーキよ? 食べてみて! 美岬はもうそれにハマっちゃってハマっちゃって―――」
「おい、余計なこというなよ……」
「あー! みーくん赤くなってるぅ、あぁん可愛いんだから!」
横目で見ると氷室は、気まずそうに赤く染まった頬をして目を泳がせていた。
初めて見るその表情に、悠里は氷室にますます親近感を覚えずにはいられなかった。