俺様編集者に翻弄されています!
「氷室さんが遊びでも、衝動的にだったとしても……私は嬉しかったんです」
「え……?」
「こんな私に、氷室さんが触れてくれたことが嬉しくて……私、氷室さんのことが好きなんです」
今まで秘めていた想いがあっけなく口から出てしまった。気持ちを文章にすることは簡単でも、いざ言葉にしようとすると途端に不器用になってしまう。
といままで、そう思っていたのに―――。
「す、すみません……困らせるつもりじゃなかったんですけど……氷室さんが本当に担当を外れてしまうなら、せめて私の気持ちだけでも知ってて欲しかったんです」
「お前……」
「私、今日は帰ります」
そう言って悠里は踵を返した。
背中の向こうで氷室の呼び止める声が聞こえた気がしたが、これ以上氷室の前に立っていられなかった。
ぼやける視界をこすると手の甲が濡れた。
恋することとはこんなに苦しくて、切なかっただろうかと今更考えてしまう。
(どうしてフランボワーズケーキみたいに甘くないんだろう)
悠里は溢れる涙を拭って夜の街を駆けた―――。
「え……?」
「こんな私に、氷室さんが触れてくれたことが嬉しくて……私、氷室さんのことが好きなんです」
今まで秘めていた想いがあっけなく口から出てしまった。気持ちを文章にすることは簡単でも、いざ言葉にしようとすると途端に不器用になってしまう。
といままで、そう思っていたのに―――。
「す、すみません……困らせるつもりじゃなかったんですけど……氷室さんが本当に担当を外れてしまうなら、せめて私の気持ちだけでも知ってて欲しかったんです」
「お前……」
「私、今日は帰ります」
そう言って悠里は踵を返した。
背中の向こうで氷室の呼び止める声が聞こえた気がしたが、これ以上氷室の前に立っていられなかった。
ぼやける視界をこすると手の甲が濡れた。
恋することとはこんなに苦しくて、切なかっただろうかと今更考えてしまう。
(どうしてフランボワーズケーキみたいに甘くないんだろう)
悠里は溢れる涙を拭って夜の街を駆けた―――。