俺様編集者に翻弄されています!

Chapter3

「忘我の愛」も滞りなく連載が終わり、先行販売で何部か書籍化されたものが書店に並ぶと、瞬く間に今月の注目小説第一位に選ばれた。

 悠里は自分の小説がトップで輝いているランキングを見ながら呆然としていた。


 鬼才! ユーリが綴る暗黙の関係に秘められた真実の愛とは―――。



 新書判の帯に綴られた小説の帯文のキャッチを見て、悠里は本を手にとってパラパラとめくってみた。



(これが、氷室さんと一緒に作った最初で最後の本……)



 そう思うと思わず感慨に浸ってしまう。

 
(嬉しいはずなのに、氷室さと一緒じゃないって思うだけで全然気持ちが満たされない)


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