俺様編集者に翻弄されています!
『あははは、えーっと、氷室さんってそんな人……だったっけ? でも、氷室さんと会えたのね? よかったよかった』


「もう! 加奈! 始めからわかってたんでしょ!? ななななんなのよ~ あの野生動物!」


『いやー、氷室さんあんなだけど、めちゃくちゃ仕事出来る人だから……』


「仕事ができるできないの話ししてないし!」


 氷室が喫煙室のガラス越しに煙草をふかしながら携帯で誰かと電話し出すのを確認すると同時に、悠里は光の如く携帯を素早く取り出して加奈に電話をかけた。


「ねぇ、どうするよぉ、会社には夕方に行くって言ってるけど……」


『ええっ!? もう! ほんと個人プレイやめて欲しいんだけどなぁ……でも今日中に顔出すならまだマシか……悠里、私がいなくても頼んだわよ?』

 その言葉に、加奈が今月いっぱいで退社するということを思い出して、ますます気が重くなった。


「加奈ぁ、私、先行き不安だよぅ……」

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