俺様編集者に翻弄されています!
エピローグ
『なぁんだ、もう日本に帰国しちゃってたんだ。勝手に帰るなんて、日本語では水臭いっていうんだよね?』
日本に帰国して早々、氷室の携帯に国際電話がかかってきた。氷室はその電話の相手がわかっていたが、仕方なく電話に出ると案の定の相手で、笑いさえこみ上げてきた。
「ああ、どうやら賭けには勝てたみたいだからな」
『それで、元サヤの彼女の担当に戻って、お仕事中、いやお取り込み中……?』
「うるさい」
けれど、何も言わずに帰国した氷室に対して批難を浴びせるでもなく、ロディは仕方がない、といったように小さく笑っていた。
『いいでしょう、美岬が言っていた彼女の本、こっちで何部か出してみるよ。重版にするかは様子を見て……ということで』
「ああ、それでいい」
『じゃあね……』
氷室は通話の切れた携帯電話をベッドサイドに無造作に置くと、再び穏やかな時間に浸った。
朝もとうに過ぎ、陽の光が燦々と降り注いで白いシーツを照らしている。
昨夜の情事で醸し出していた淫靡な雰囲気とは打って変わって、部屋は清々しく爽やかな空気が流れていた。
日本に帰国して早々、氷室の携帯に国際電話がかかってきた。氷室はその電話の相手がわかっていたが、仕方なく電話に出ると案の定の相手で、笑いさえこみ上げてきた。
「ああ、どうやら賭けには勝てたみたいだからな」
『それで、元サヤの彼女の担当に戻って、お仕事中、いやお取り込み中……?』
「うるさい」
けれど、何も言わずに帰国した氷室に対して批難を浴びせるでもなく、ロディは仕方がない、といったように小さく笑っていた。
『いいでしょう、美岬が言っていた彼女の本、こっちで何部か出してみるよ。重版にするかは様子を見て……ということで』
「ああ、それでいい」
『じゃあね……』
氷室は通話の切れた携帯電話をベッドサイドに無造作に置くと、再び穏やかな時間に浸った。
朝もとうに過ぎ、陽の光が燦々と降り注いで白いシーツを照らしている。
昨夜の情事で醸し出していた淫靡な雰囲気とは打って変わって、部屋は清々しく爽やかな空気が流れていた。