俺様編集者に翻弄されています!
 初対面の時はあまりにもインパクトが強すぎて氷室の顔をよく見ていなかったのだか、こうして朝日に照らされた氷室の顔は、ついうっとり見蕩れてしまうくらい整っていた。

 意外にもラフに着崩した胸元から覗いている肌の色が白くて、見ただけで滑らかな感触が伝わってきそうだった。髪の毛は猫っ毛のようで、思わず指を滑らせてしまいたくなる。

 そんな柔和な外見とは裏腹に、原稿の文字を追うその瞳の動きは鋭く、一字一句見逃さない狩りのような眼差しで、悠里の心音は高鳴りっぱなしだった。



(もしかして、夢にでてきたあのイケメン執事の正体って氷室さんだったんじゃ……ま、まさか!? なにげに予知夢だったとか……?)
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